プロミュージャン科 海外研修 ラスベガス&ロサンゼルス その③ Fender USA 訪問【動画有】
こんにちは教務部長の西本です。
前回のブログ↓
https://www.nsm.ac.jp/contents/blogs/2019/11/27/19757
今回はラスベガスをあとにしてロサンゼルスに戻ってからのレポートです。
ピラミッド型のルクソールというホテルからロサンゼルスへ
ロサンゼルスで楽器コースが訪問したのはフェンダーUSAコロナ工場です。
日本国内でフェンダーUSAとして販売しているものはここで生産しています。
現在は一般の工場見学は閉鎖しているため、今回のツアーは本グループが交渉して特別に開催されたものです!
本校の海外研修を海外ツアー旅行と同じようなものだと勘違いされる場合もあるのですが、我々の研修というのは一般のツアー旅行とは似て非なる内容なのです。
見学は工場内なので防護グラスを掛けて安全に配慮されて案内をされます。
これから紹介するのは工程とは関係なく画像を並べていますので、ご了承ください。
ここは⇑材料になる木材の保管場所です。
テレキャスターと思われるネックの素材がずらり
実際に手に取らせてもらえるのも醍醐味ですね!!!
工場なのでパーツ単体を作っている現場は木工所や鉄工所のような雰囲気です。
大量生産=質が悪そうというイメージも多少ある人もいる可能性あります。
しかしフェンダークラスの工場だとネックを削ることに特化した職人、塗装の職人というように各部署で卓越した職人の集まりなので、一人で全部をやることが美徳とされがちな個人ビルダーよりもレベルが実は高いという部分も多いです。
当然、良いものが安く出来上がるというグッドプライスにも繋がります。(USAは結構高いけどね…)
フレットを打つだけの専門職人もいます。
我々が想像しがちなしかめっ面のオッサンばかりの汚い工場のイメージと違って、女性の従業員も多く、親子で代々勤めているという家族も多いようです。
このようなプロのシグネイチャーモデルのネックの型もありました。
僕の大好きなベーシストの型があって感動。
とにかく工場内がクリーン!
工場にありがちな塗装臭いとか全くないです。
物凄い強力な空気清浄マシーンを使っているようです。
また木工工場で想像できる粉塵がすごいのではないかというのも、全くそんなことがないのです。
木を削る部署ではホースが見えると思いますが、その場で粉塵を吸い取って排気しているようです。
フェンダークラスの工場だと従業員の健康被害は物凄い問題になるので、徹底しているようです。
コンピュータ制御のマシーンが多く使われているので、ジグ(型)にハメるための特殊な見慣れない木の突起が付いています。
コンピュータ制御で切り出されても仕上げはもちろん職人の手です。
このネックをこのままオブジェとして売ってもいいのではと思ったりしました。
指板の加工コーナー
コンピュータ制御でフレットの溝を切っているマシンだと思います。
プロのシグネイチャーモデルのネックが無造作に掛けられていますが、シグネイチャーモデルはこのネックを触りながら職人が微調整しているということんなですかね?
細かい部分まで質問攻めにできなくて残念
先程も書きましたが想像以上に女性が多いこと。
また日本なら画一的な地味なツナギを着せられそうなイメージですが、みんな自由な格好でアメリカらしい。
女性もおおいですが、もちろん手で仕上げするようなセクションはザ・職人みたいなおじさんが多いです。
バインディングを止めているセクション
ネックの種類バラバラで置かれているけど、職人は何に使うか理解して選別できているでしょうか??
実はフェンダー工場内でCharvelとJackson、そしては、エドワード・ヴァン・ヘイレンがフェンダーと共同開発し設立したブランドEVHもこの工場でつくられています。
多くの方が楽器(ギター・ベース)がそれぞれのブランドごとに独立した工場を持っていると思われるかもしれませんが、実は同じ工場で生産し、全く同じものでもブランドロゴのシールを張り替えて別メーカーにしていることも多々あります。
また年式ごとに委託している工場が変わることもあります。例えばこの年式は日本国内、この時期は韓国、この時期はインドネシアみたいなこともあるのですよ。
そんな中、フェンダーのように工場見学させてくれる意味は品質に絶対的な自信があるからなんですよね。
だんだんと楽器の形になっています。
工場で大量生産というイメージよりも、最後の仕上げは職人により、かなり丁重に行われている印象。
塗装を乾かしているのだと思います。
実は塗装工程は見られていません。
多分、溶剤の匂い、また我々が入ることでホコリが入るなどの品質管理のためだと思います。
しかし塗装を乾かしているのは見れました。
天井部分にベルトコンベアがあって、ボディが天井付近をグルグル回っているのです。
これは保管場所と乾燥を同時に行う為だとのことです。
固定して乾燥させて、それを別の場所に保管をするという工程よりも、このような保管のほうが効率的だそうです。
ピックアップを巻いているセクションです。
ここで紹介していないですが、ブリッジを製作しているセクション、ピックガードを作っているセクションもあり、ほとんど自社工場で作っているのですね。
見なかったのはチューニングペグの工程なので、ペグは外部にOEM(他社ブランドの製品を製造すること)してもらっているのかもしれないですね。
実際に音を出して弾いて調整するコーナー
現役ミュージシャンが多かったセクションです。
恐らく、ここの一人ひとりが自分の店を持ってギターメンテナンスを売りにしても食えるくらいレベル高い人たちなのでしょう。
商品タグが付いているので出荷直前だと思います。
一本一本丁重に出荷チェックしているようでした。
あとは箱詰めにして出荷するセクションに回るのですね。
写真が取れなかったのですが、フェンダーカスタムショップのマスタービルダーの個室も見せてもらいました。
マスタービルダーは個室でビッグネームのアーティストとディスカッションしながら、個人工房のように開発したり製作する人たちです。
今回のツアーで膨大な映像があるのですが、ここでは紹介しきれないので、スナップ写真のみとなりましたが、海外研修の特別感というのは伝わったかと思います。
[iframe id=”https://www.youtube.com/embed/U1si8-L137M”]
続く