プロ・ミュージシャンを目指す高校生くん・在校生くんから多く出た質問への回答【保護者様にも読んでいただきたい】
こんちには教務部長の西本です。
いつもNSMブログをご覧いただきありがとうございます。
今日はプロミュージシャンになりたいと考えている高校生くんや在校生くんにも読んでもらいたい内容です。
さて、AO面接や学校の体験授業後の相談会で多く出てくる質問に質疑応答形式で書いていきたいと思います。
質問 : アマチュアミュージシャンからプロミュージシャンに切り替わる時はどんな感じなのですか?
回答: まず大前提としてミュージシャンという職業には資格や免許のようなものはありません。
そして就職と違って【入社式】みたいなセレモニーもありません。
はじめに一般就職とデビューは全然違うものだと考えてください。
次にプロミュージシャンと言っても色々な雇用形態がありますが、大きく2つを紹介します。
1つは事務所と契約して所属することです。
方法としてはオーディションなどで芸能事務所に発掘されて契約して所属します。
多くのプロ予備軍の方はオーディションに合格して事務所に所属することをプロデビューだと思われていると思います。
ただ、事務所と契約したからプロというわけでもありません。
なぜなら、契約しただけでは、まだ貴方がお金を生んだわけではないからです。
契約はしても【売れなければ】会社は赤字になるので、契約が期間が満了すると首になるかもしれません。
契約したからといってサラリーマンのような月給が出るとも限りません。
月給が出る契約もありますが、とても稀なことなので、出来高制だった場合は事務所と契約してもバイトをしていないと食えないアーティストも多いです。
お笑いの芸人さんがバイトしながら舞台に出て売れるように努力されているのはイメージ出来ますよね!? まさにそういうことです。
したがって、アマチュアミュージシャンからプロミュージシャンの境目が事務所との契約ということも出来ますが、
職業人として食えるようになるのか、ならないのかでいうと契約がその切り替わる節目では無いとも言えます。
もちろん事務所に認められて契約にこぎ着けたら一つのターニングポイントにはなりますが、
そこがゴールではなくスタートラインに初めて立ったと言ってもよいでしょう。
したがって、闇雲にただオーディションを受けても、実力が伴っていないと、合格するのは難易度がとても高いと言えます。
万が一にも偶然にも所属できたとしたら、その後に大変厳しいことになってしまうことは容易に想像できます。
わかりやすく例えると、貴方がある1曲のオリジナル曲で事務所の目に止まったとします。
事務所から聞かれることは「オリジナル曲は何曲ありますか?」となります。
その時に「3曲しかないです。」みたいにプロとして十分なストックを持っていないと事務所からは「最低30曲にしてから再トライしてね。」となるわけです。
または「一ヶ月後に20曲書いてきてね!」みたいな高いハードルを設けられることになります。
オーディションというのは、ただ闇雲に受ければよいのではなくて、
プロとして恥ずかしくない実力・音楽力を有していないと、万が一契約出来たとしても、そこから先が大変だと言うことです。
本校でやることはただオーディションを受けていく(させる)ことではなくて、
エンターテイナーとしての本当の意味での実力をつける期間だといえます。
2つめはフリーランスとして活動することです。
多くのプロミュージシャンというのは事務所契約では無くて
個人事業主(フリーランス)の方だと言えます。
わかりやすく例えると、貴方が自宅で音楽教室を構えたとしたら、それはオーディションとか関係なく、いつでもスタート出来ます。
明日から自宅でギター教室をやりたいと思い立って始めたとしたら、それはその時から貴方は起業し、それは=プロになったといえます。
もちろん、その時点では収入がないので、それをプロかと言われると確かに?ハテナ印が出てくるでしょう。
しかし、例えばラーメン屋を起業したら、初日からいきなり利益が出ると思いますか?
利益どころか、投資した借金を返済しないといけないことが多いので、毎日物凄く賑わっていたとしても赤字の時期は何ヶ月は続くものです。
利益が出ることをプロというならば、多くの新装開店で起業した人たちは当分はアマチュアということになりますが、本来はそうではないですよね!
プロ意識を持って、事業を始めたらその時点でプロです。
なので
質問の【アマチュアミュージシャンからプロミュージシャンに切り替わる時】というのは
貴方がプロ意識を持って始めた瞬間だと言えます。
私が本校の学生に言っていること(今、ここで伝えること)はプロになれたときにプロらしく振る舞うのではなく、
今日、今、この時からプロ意識を持っていないとプロになるばずがないということです。
プロ意識の中には↓
・楽器・ヴォーカルのテクニック
・音楽理論・聴音・音楽の歴史などのプロとして恥ずかしくない知識
・レパートリー(オリジナル曲は何曲・歌える曲は何曲)
・自分の能力を適価が売れること
上記のようにプロとして恥ずかしくない、能力を有していたとしても、それを売ることが出来ないとプロではありません。
貴方が自宅で美味しい野菜を栽培していたとしても、それをただ自分で食べているだけではプロとは言いません。
それを人に売って、利益がでたときにプロといいます。
しかもプロというのは利益を安定的に出せる状態をいいます。
例えばフリーマーケットで一日だけ貴方が物を売って利益が出せたとしても、それを世間はプロとは言わないので、プロというのは安定的に自分の能力で稼げるようにしないといけません。
学校で培うことは日々、自身の技術を鍛錬しながら、プロとして恥ずかしくない知識も身に着け、
それを人に買っていただけるようにプレゼンテーションする経験を積むことなのです。
プレゼンテーションとはプロモーション・営業活動・セールスと言ってもよいでしょう。
在学中にとにかく、プロになる為のチャレンジを続けて欲しい。
ひたすら自分を鍛錬することも大切であるが、その能力を誰かに買っていただく経験を積むことが大切です。
商売というのは始めないと、何も学べません。
恐れていてばかりではダメ!
自分をプロだと思ってスタートをしないと、自分がやるべきことが明確に見えなくなるでしょう。
もちろん、学業を続けていると、目的を見失うこともあると思います。
そういう時は、まずは自分の音楽能力の鍛錬を怠っていないかを確認してください。
大抵の悩みというのは、練習量によって相殺されて解決するケースが多いものです。
進路や将来に悩んでしまって、立ち止まると返って色々なことが解決しなくなるので、悩んだら練習に没頭することが大切です。
・毎日、発声練習や体力維持の為のエクササイズなどやっていますか?
・楽器の練習。コードやスケールの運指など、フィジカルトレーニングを習慣化していますか?
・色々なジャンルの曲を弾ける、歌えるようにレパートリーを増やす努力をしていますか?
・自分のプロモーション活動をしていますか? SNS、YouTubeなどで自分の今の成果を発表していますか?
学校を卒業すると学校で義務とされたことを自分が自分に対して義務としていくような
セルフプロデュース能力が必要になります。
卒業してから、それを身につけるのはリスクが高いので、在学中から自分がフリーランスのミュージシャンとして起業するという意識を持って活動をしていってほしいです。
また2年制のプロミュージシャン科ではセルフプロデュースやマネジメント能力を養成するに十分な時間があるといえません。
そのため、本校には4年制のアーティスト&テクノロジー専攻があります。
2年制の在校生がこの4年制のアーティスト&テクノロジー専攻 に転科することも可能です。
なかなか文章だけでは伝わらないことは、対面でいくらでもレクチャーやカウンセリングしますので、学生さんは遠慮なくアポイントとってください。
高校生くん達や親御さんも広報部に教務部長の西本にプロミュージシャンについて質問したいということでリクエストいただければ、3者面談も可能です。
ぜひ、質問など遠慮なくいただければと思います。
本日はこの辺で!!