ニューヨークとのオンラインで学ぶ SUMMER CAMP その②
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
教務部長の西本です。
先日、ブログに書きましたが、この夏はニューヨークの姉妹校とオンラインを繋いだ授業を開講しています。
このニューヨーク・オンライン・サマーキャンプは8月 3日 (火曜日)から始まり、このブログが投稿される2日前の8月 20日 (金曜日)まで開講されました。
今回は全国姉妹校含めて、1年生のヴォーカル・ギター・ベース・ドラム・キーボードのパートが募集され、その全パートがABLETON LIVEというDAWソフトも勉強しました。
今回は本校から受講を希望した学生はキーボードはキーボードプロフェッショナルコース 1名。
ベース1名とギター1名、楽器系コースではなく、音楽テクノロジー科(3年生)の作曲&アレンジャーデビューコース、アーティスト&プロデューサーコースの学生さんです。
もしかすると夏休み中の毎朝8:30に登校するということで、参加を躊躇した学生もいたかもしれませんが、夏休み返上で参加した学生の進歩の仕方は半端なかったです。
今後のミュージシャンの必要なスキルとして、一つは楽器の卓越した技術です。
何故ならば、音楽性の多様化によって、演奏する楽曲の難易度が年々上がっていて、高校生君達が憧れるような音楽は初心者では演奏が難しいものが多いです。
僕は51才で、僕の高校生の時代に流行った音楽はバンドサウンドが多くて、比較的コピーしやすいものが多かった思い出があります。
今は、コンピュータで作られた(打ち込まれた)ようなものも多くて、コンピュータで作られた音楽は人間が弾くことをあまり考慮して作られていない演奏も多く、実際のLIVEでの生演奏で相当なテクニックを必要とされることが多いです。
そういった時代背景からプロを目指すならば、楽器の技術は高いことを求められます。
そして、楽器が弾けることは当然なのですが、昨今はコンピュータ上で音楽制作をするデジタル・オーディオ・ワークステーション(Digital Audio Workstation、略称DAW)の能力も必要です。
なぜ、楽器を弾く人がDAWの能力が必要かというと、コロナ禍でさらに加速した面がありますが、多くの人が集って録音する現場が減ったこと、移動を減らすという意味もあって自宅録音の機会が増えたからです。
昔は必ずレコーディングスタジオへ出向いて録音したことが、今では自宅のパソコンで録音してメールでデータを送ることも多くなりました。
僕はこの自宅録音の創世記の大昔にドイツのバンドへデータを送って、バンドに参加したことがありますが、当時はコンピュータも周辺機器も高価だったし、通信速度も劇的に遅かったので一般的ではありませんでした。
それでは日本の広島からドイツへデータを送ってバンドに参加したことは大きな可能性を感じたものです。
昨今はこの自宅録音してクライアントさんやバンドメンバーにデータを送るという録音方法は一般の方でも出来る簡単なことになりました。
まず、周辺機器やコンピュータが安くなったことです。
最も安いMacBook Airで115,280円(税込)ですよ!
このパソコンには初めからガレージバンドというソフトウェアがインストールされているので、それを使えば簡易的な自宅録音が可能です。
10万円ちょっとですぐに音楽制作が開始出来るなんて、僕たちの時代には考えられないことです。
多分、1980年代に今のMacBook Airをタイムマシンでもっていったら数千万円の価値になるでしょうね。
この機材の低価格化によって、多くのミュージシャンが自宅で音楽制作を楽しめるようになりました。
簡単に言うと、全ての家庭が録音スタジオになり、誰でも音楽をそこから発信できるのです。
このことによって、多くのクリエイターが誕生しているのは皆さんもご存知ですよね。
このサマーキャンプでは、この可能性について多くを学ぶことができました。
楽器の能力、音楽力を高めることは当然のことながら、音楽を制作し、それを発信することの大切さです。
そして、このキャンプでのポイントは英語力です。
英語が話せるに越したことはありませんが、それ以前に英語に対してのコンプレックスをなくすことでしょう。
テレワークが発展して、海外とのテレビ電話システムを使った会議や、このような講座が簡単になったことは、もの凄いチャンスです。
チャンスになったということは、語学があれば、デビューの可能性が日本国内に留まらず、アメリカやヨーロッパにまで広がります。
僕自身も姉妹校の大阪OSMに1992年に入学し、在校中にハリウッドに留学したことで、卒後に海外ツアーに参加したり、ドイツのバンドに参加するなど、日本だけでなく活動できました。
コロナ禍によって、オンライン授業やオンデマンド授業が普及し、それが良くないという風潮も確かにあります。
僕自身も対面に勝るものは無いとも思っていますが、このテクノロジーの進化によって、僕たちが子供の頃に考えられない、リアルタイムで海外の人に習えるチャンスをも得られました。
今回のニューヨークとのオンラインで感じたのは、まずはコンピュータへの苦手意識をなくすこと。
オンライン授業やオンデマンド授業を軽視しないこと。
今後、オンラインやテレワーク、ZOOM会議がなくなることは無く、仕事に必須事項になるからです。
学生時代からITリテラシーを高めておくことが重要です。
そして、スマートフォンも便利ですが、できたら全ての学生がノートパソコンやデスクトップパソコンを買って、自宅で録音環境、音楽制作環境を整えて、それを発信できる通信環境を作ることをオススメします。
卒業して、プロになってから、そういう環境を作ろうと考えているかもしれませんが、デビューする必要要素の一つに自主制作する自宅録音環境を整えておく重要性が増しており、在学中にそれを構築できることが大切だと思いました。
コロナ禍により、休校の補講が夏休みにずれ込んだ為に、短い夏休みが終わろうとしています。
ここを読んでいる在校生君達、皆さんの夏休みはいかがでしたか。
僕が常に学生たちに言っていることは例えばプロミュージシャン科はたった2年間しかありません。
卒業年次の秋ころまでには進路が決まっていることがベターです。
そうすると残された時間は数ヶ月、または後一年だけと思ったほうが良いです。
正直、休みとか休暇というものは必要ないくらいに時間が無いということです。
プロミュージシャンになるということは、人の何倍も勉強し、練習し、朝から晩まで音楽漬けになる必要性があります。
今からでも遅くありません。
コンピュータを使って自宅録音出来るような環境を整備し、自分を世界に発信しましょう。
ぜひ、残された時間を音楽三昧にしてください。
今日はこの辺で!!